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内戦サムライ―1860年遣米使節と南北戦争前のアメリカに生きた立石斧次郎

1860年、日本がはじめてアメリカへ送った外交使節団のなかに、立石斧次郎という17歳の侍がいた。アメリカの人々は彼を「トミー」と呼び、親しんだ。


彼をめぐる物語は、どこまでが事実でどこからが想像か、その境を曖昧にしたまま語られ、やがて全米の注目を集めてゆく。
ささやかな振る舞いまでが新聞の見出しを飾り、毎日のように女性たちからのラブレターが届くという噂さえささやかれた。
なかでも、立石とアメリカ人女性のあいだに芽生えたとされる恋は、社会に小さからぬ波紋を広げた。


人種を越えた二人の姿が、人々の信じてきた価値観を揺さぶり、やがて「文明とは何か」という問いへと議論を導いていく。


本書は、若き侍たちがアメリカ社会にもたらした熱狂と、そこにふくらんだ想像力が、当時のアメリカを支えていた「人種」「男らしさ」「権力」という観念に、いかなる問い直しを迫ったのかを描き出す。


さらに筆は、帰国後の立石が日本の内戦を生きぬき、近代国家の礎を築くさまざまな事業に身を投じていった後半生にも及ぶ。


南北戦争前夜のアメリカが、自らのアイデンティティをかたちづくろうとしていたその時代に、一人の侍がいかなる影を落としたのか——国境を越えて人々の心をとらえた、その稀有な生涯を、本書は静かに照らし出す。
 

ブラック・トランスナショナリズムと日本

アメリカ南北戦争以前から、アフリカ系アメリカ人と日本人との接触は、ヨーロッパ中心主義的な文明観や人間性の序列を超える関係性と知の言説を生み出してきた。『ブラック・トランスナショナリズムと日本』は、日本人およびアフリカ系アメリカ人によって創出され、形成され、主導されてきた多様な実践や知的運動を明らかにする。

汎アジア主義や汎アフリカ主義の中には、植民地化された空間を植民者に対抗して結集させることを訴え、脱植民地化運動として表現されたものもあったが、本書はそうした二項対立を超える、さまざまなトランスナショナルな現象を提示する。ブラック・アメリカ人と日本人による越境的な出会いは、アメリカと日本という二つの新興かつ競合する帝国の内部において、しばしば国家レベルではない場で生じてきた。

こうしたトランスナショナルな接触は、これまで可視化されてこなかった歴史的アクター、友情、連帯を明らかにするだけでなく、人種・文化・帝国主義の序列に挑戦する革新的な文化的創造の存在をも浮かび上がらせる。

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As appearing in and on
ABC-7/WJLA News
C-SPAN
Smithsonian Magazine 
Tōyō Keizai
BBC America

ナタリア・ドーンについて

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ナタリア・ドーン博士は、テネシー大学ノックスビル校の歴史学助教である。オックスフォード大学でアジア研究の博士号を取得している。研究および教育の専門は、近世から近代にかけての日本のトランスナショナル・ヒストリーであり、とりわけポピュラーカルチャー、ジェンダー、権力、文化の概念との関係に焦点を当てている。ドーン博士の研究は、連帯と前向きな社会変化を追求する中で、日本が時代や空間を越えて行ってきたトランスナショナルな関与を探究するものである。

著書『内戦サムライ―1860年遣米使節と南北戦争前アメリカの立石斧次郎』(Civil War Samurai: The 1860 Japanese Embassy and Tateishi Onojirō in Antebellum America) は、Leiden University Pressより刊行予定である。これまでに『The Historical Journal』、『Oxford Research Encyclopedia of Asian History』、『Journal of Social History』などに論文を発表しており、とりわけ『Journal of Social History』に掲載された論文は、英国王立歴史学会アレクサンダー賞の最終候補に選ばれた。また、複数の日本のドキュメンタリー番組に出演しており、最近では侍研究について解説を行っている。

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